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| 虎の威を借る狐 とらのいをかるきつね |
【意味】
狐が虎の威勢を借りて威張ることから、
権勢のあるものをかさに着て、勝手気ままに振る舞うこと。
また、そのように威張る人物のこと。
【出典】
「戦国策」楚・宣王
【類】
傘に着る
かさにきる
【英語の類】
An ass in a lion's skin.
直訳:ライオンの皮を被ったロバ。
【参考】
| 中国の戦国時代の前期(前360年頃)、楚の昭奚恤(しょうけいじゅつ)は軍・政の実権を握る将軍として北方六国から恐れられていた。そこで六国側は、六国の一つである魏(ぎ)の江乙(こういつ=遊説家)を楚に送り込んで奚恤の失脚を謀った。 あるとき、楚の宣王が、「六国はわが昭奚恤を恐れているというのは事実か」と尋ねると、江乙はことば巧みにこう答える。 「虎が一匹の狐をとらえました。すると狐は、天帝がこの私を百獣の長になさったので、私を食えば天命に逆らうことになります。うそと思うなら私が先に行きますから、あなたは私のあとからついていらっしゃい。どんな獣でも私を一目見て逃げ出すから、と言うので、虎はそうかなと思って狐の後について行くと、獣たちはみな逃げ出しました。虎は、獣たちが自分を恐れて逃げたことに気付かないで、狐を恐れたからだと考えました。 この話と同じで、王さまの楚の国は方五〇〇〇里、軍勢一〇〇万、昭奚恤はこれを自由に動かすことができます。北の国々が奚恤将軍を恐れるのは、実は王さまの威勢を恐れているのです。」 と言った。乱世の謀略にまつわる説話からの成句である。 (以上『成語林』より引用) |

お願い、食べ過ぎないで!すでに大デブ猫なんだから!
【イソップ寓話集では】
似た意味を持つ英語のことわざとして、
An ass in a lion's skin.
をあげたが、これはイソップ寓話集に由来している。
以下、『イソップ寓話集』(岩波文庫)から引用。
「(獅子だと思われた)驢馬」 獅子の毛皮を着た驢馬が皆に獅子だと思われていました。そして、人々も逃げるし、獣どもも逃げたものです。しかし風が吹いて来て、毛皮がはぎ取られ驢馬が裸になった時に、皆が襲いかかって木切れだの棒だので驢馬を叩きました。 |
原話はいたってシンプルだ。

↑虎の胃にはこれでも足りないだろうにゃ?
【虎の威を借る人間】
動物作家・戸川幸夫の作品で、
『虎は語らず』 という短編がある。
インドの山村にトラが現れた。
牛が殺されたまではまだよかった。
ついに人が襲われた。
村人は、日本人のヤマモトに虎退治を要請する。
ヤマモトの本業は画家だが、ハンターとしても有名だった。
過去にもトラを仕留めたことがある。
ヤマモトは、乞われるままに、人食いトラを待ち伏せる。
が、なんとなく違和感を感じていた。
さて、人食い虎の真相とは?
動物作家としての戸川氏の視点が冴えた作品だ。
↑虎の縞模様って、そんなシマシマじゃないんだけどな〜(汗)
●『成語林 故事ことわざ慣用句』 旺文社
●『広辞苑』 岩波書店
●『イソップ寓話集』 岩波文庫
●『虎は語らず』 戸川幸夫著 ランダムハウス講談社文庫
20087.4.
【虎の威を借る狐:文例】
・・・良寛師御座候得者りょうかんしござそうらえば世間の風聞よくまことに狐が虎の威をかると申すごとく御一笑可被下候ごいっしょうくださるべくそうろう。 (文化十三年(1816年)十二月七日、良寛の世話をしていた能登屋木村元右衛門が鈴木牧之に宛てて書いた手紙より ) |
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