「最古」の猫たち(日本史)

ここでいう「猫」とは飼い猫と同じ種類の猫達、生物学的にイエネコと呼ばれる種を指します。イエネコの他、日本国内にはイリオモテヤマネコとツシマヤマネコが現存、古くはオオヤマネコやトラも生息していました。

白猫

国内で発見された最古の猫化石

カラカミ遺跡から発見された化石により、日本では弥生時代からイエネコが飼われていたことが判明しました。

以下、「壱岐新聞」http://iki-guide.com/からの転載です。通常は著作権を遵奉し決して丸写しなんかしないのですが、このようなニュースサイトでは記事がいずれ削除されてしまうことが多く、それにはあまりに勿体ない内容だと思いましたので、あえて写します。著作権は壱岐新聞にあります。このページからの孫引きは固くお断りします。

ページ元URL=http://iki-guide.com/?p=1721

判明!!日本最古のイエネコの骨 「カラカミ遺跡」遺構から発掘 10月にも 正式発表

(2014/9/5)

 勝本町のカラカミ遺跡で、日本最古のイエネコの骨が発見されたことが確実になった。2011年の壱岐市による発掘調査で約2千年前の弥生時代後期半ば(紀元1~3世紀)の遺構から発見された1882点のうち、723点の分析が奈良文化財研究所で行われ、このうちの1点がイエネコの橈骨(とうこつ=前腕の骨)であることが判明した。今後、別の研究機関で科学的な年代測定が実施されてから、10月にも正式に発表されるが、日本のイエネコの起源がこれまでよりも500年程度も遡る、歴史を塗り替える極めて貴重な発見となる。
発掘されたイエネコの骨は、現在検査を行っているため、一支国博物館に展示はされていないが、カラカミ遺跡を紹介する常設展示のコーナーに、写真と「歴史を塗り替えた日本最古のイエネコの骨」という解説プレートが置かれている。
これまで各種文献から、イエネコの伝承は8世紀と考えられており、出土例では神奈川県鎌倉市の千葉地東遺跡など2か所から、13世紀(鎌倉時代)の骨の発見が日本最古の事例だった。近年の発掘調査でネコの足跡がついた6世紀末~7世紀初頭の須恵器の発見により、イエネコの起源が古墳時代まで遡ることが推定されていたが、今回のカラカミ遺跡からの発見で、弥生時代からイエネコが飼われていたことが判明した。
カラカミ遺跡では2008年の九州大学による調査でもネコの骨が13点発見されており、当時は「日本最古のイエネコの骨発見」と一部で報道されたが、発掘された場所は時代が特定できる遺構内ではなかったこと、成熟前の小柄なものだったため小さなヤマネコであった可能性がぬぐい切れなかったため、確証は得られていなかった。
だが今回は、他の遺物などから時代のはっきりとした遺構の中からの発掘であり、成熟した大きさの前腕の骨であることから、発掘当時から日本最古のイエネコである可能性が極めて高いと思われていたが、分析によりほぼ確証が得られた。
市文化財課の松見裕二学芸員は「九大が発掘した骨とともに、科学的な年代分析結果が出たら、博物館で展示・報告を行おうと思っている。今後は、カラカミ遺跡でネコがどのような飼われ方をしていたのか、ネズミ対策だったのか、その他の用途だったのかなど、さらに調査を進めていきたい」と話した。
ネコの愛好家は数多くいるだけに、日本最古のイエネコが壱岐で発掘されたニュースが広まれば、一支国博物館を訪れたり、壱岐に興味を持つ愛猫家が増えることは確実で、「イエネコの島・壱岐」というキャッチフレーズも加わりそうだ。

©壱岐新聞 http://iki-guide.com/?p=1721

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最古の猫関連クイズ(問題)

先に進む前に。

『宇治拾遺物語』に出てくる日本最古の猫関連クイズ。わかりますか?(答えはページ最下部にあります。)

問題:「子子子子子子子子子子子子」の読み方は?

猫が登場する最古の文献

『日本霊異記』に登場する猫が、日本文学史上最古といわれています。

『日本霊異記』は、延暦六年(787)に一応まとめられ、その後、嵯峨天皇の弘仁十三年(822)にも少し書き加えられました。その間35年の期間がありますが、いずれにせよ、早ければ787年頃、遅くとも822年頃に、日本で初めての「猫」が文献に登場したということになります。

登場したといっても、ほんの数行、それも動物としての猫ではなく、人間の亡霊が猫に化けて、という登場の仕方です。さらに字は「狸」の字があてられています。とはいえ、猫のことなのだそうです。日本最古の猫文献となります。

『日本霊異記』の正式名称は『日本国現報善悪霊異記(にほんこくげんぽうぜんなくりょういき)』。南都薬師寺の僧・景戒(きょうかい)が著した説話集で、日本最初の短編小説集でもありました。

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最古の猫溺愛エッセイ

宇多天皇(867~931年、第59代天皇在位887~897年)が書いた『寛平御記(宇多天皇御記)』に、愛猫自慢が出てきます。そりゃもうデレデレの溺愛ぶりで、最近の愛猫自慢ブログも顔負けな内容。宇多天皇、か~わいい♪

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最古の猫の名前

文献に登場する最古の猫の名前は『命婦のおとど』(みょうぶのおとど)。清少納言の『枕草子』に出てきます。一条天皇の愛猫として、五位の爵位を授かり、専用の乳母まであてがわれて、それは大事にされていました。

『枕草子』は平安中期、長徳2年(996年)くらいから寛弘5年(1008年)年くらいまでに書かれたと言われています。

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猫が登場する最古の長編小説

紫式部の『源氏物語』の、「若菜上」と「若葉下」の帖に出てきます。『源氏物語』は平安時代中期に書かれた長編小説で、文献上の初出は1008年(寛弘五年)。その頃までには、全編かどうかはともかく、ある程度以上は完成していたのでしょう。

『源氏物語』で、猫の飼い主は柏木。光源氏の正室・女三の宮に横恋慕した憐れな男です。猫を配置することで、柏木の心境や彼のおかれた状況が巧妙に語られます。

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最古の猫関連クイズ(答え)

猫の子の子猫、獅子の子の子獅子

「子」という字は、「こ」「ね」「し(じ)」と、3音の読み方ができます。そこで「子子子子子子子子子子子子」は「猫の子の子猫、獅子の子の子獅子」と読むことができます。

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『宇治拾遺物語』鎌倉時代前期に成立した編者未詳の説話集。

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