鼠窮して猫を噛み、人貧しゅうして盗みす

ねずみきゅうしてねこをかみ、ひとまずしゅうしてぬすみす

【意味】

追いつめられた鼠が進退窮まって猫に噛みつくように、人も貧しさにどうしても耐えられなくなると盗みをはたらくようになる。

【類】

小人窮すればここに濫す しょうじんきゅうすればここにらんす

小人窮して巧みをなす しょうじんきゅうしてたくみをなす

【参考文献】

成語林』旺文社、『広辞苑』岩波書店、『大漢語林』大修館書店、『四字熟語の辞典』三省堂、ほか。参考文献の全リストはこちら

【猫的解釈】

棒を齧る猫

【雑学】

地域ねこ

猫を捨てる人がいます。

捨てられた飼い猫は、食べ物の探し方なんて分かりません。 知らない場所で、不安と恐怖と餓え、寒さ暑さに苦しみながら、痩せ衰えていくほかありません。 まして子猫ならなおさらです。 じわじわとつらい死を迎えるだけです。

ふつうにやさしい心を持った人が、あわれな猫を見かけた場合、見殺しにできるでしょうか。 つい食物をあげてしまうのが、自然な人情というものではないでしょうか。

しかし、猫嫌いの人たちは、餌やりを憎み、攻撃します。
「餌をやるから野良猫が増えるんだ!!」と。

餌をやるから、野良猫が増えるのではありません。

野良猫の平均寿命はうんと短いし、産まれた子猫も大人になる前にほとんど死んでしまいます。 ゴミ箱あさりをするのも、他に食べる物がないからです。 「悪戯」ではありません、「ゴミ」を食べないと生きられないからです。

野良猫が減らないのは、捨てる人がいるからです。 一番悪いのは、猫を捨てる人です。

横浜市磯子区が、見かねて立ち上がりました。 「野良猫は見殺しor捕まえて殺処分」ではなく、 人間とホームレス猫たちが“共生”する道を模索しました。

その結果、“地域ねこ”という構想が生まれました。

◇猫を捨てない啓蒙(これが一番重要)。

◇ホームレス猫たちのうち、地域住民が責任を持って管理する猫を “地域ねこ”と位置づける。

“地域ねこ”とは

◇管理者(地域に住むボランティア、なるべくグループで活動)は、周辺住民の理解を得られるよう努力する。

◇餌やりは決まった場所で。必ず後片付けも行い、清潔に保つ。

◇できるだけトイレも用意する。もしトイレ以外で排泄した場合も、片付けるよう心がける。

◇必ず適切な時期に避妊・去勢手術をし、手術済みとわかるように印をつける(首輪・耳カット・耳ピアスなど)。

◇猫の健康維持に努め、必要に応じ獣医師とも連携して管理。

磯子区の取り組みは広く知られ、今では “地域ねこ”を取り入れている自治体や地区が全国に増えています。 大変喜ばしいことです。

【お願い】

しかし、実際のところ、捨て猫や野良猫が “地域ねこ”になるのは、誰かの飼い猫になるよりも難しいのです。 なぜなら“地域ねこ”は100%他人の善意に頼っているのですから。

活動している人たちは、「赤の他人が糞便などで嫌な思いをしないように」 「自分のものでもない猫たちを」「自分の時間を割いて」「自腹を切って」 世話しているのです。 それも毎日、365日、1日も欠かさず。

それがいかに大変なことか、わかりますか?

お願いです。

地域ねこ活動をしている地域だからと、安易に猫を捨てることだけは止めてください。 同じ人間として、それはあまりに恥ずべき、心貧しい行為です。

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