猟ある猫は爪を隠す/鼠捕る猫は爪を隠す/上手の猫が爪を隠す
りょうあるねこはつめをかくす
(猟よし猫爪をかくす りょうよしねこつめをかくす)
ねずみとるねこはつめをかくす
じょうずのねこがつめをかくす
【意味】
すぐれた才能や力量を持つ者は、謙虚であり、むやみにそれを人に誇示したりはしないものだというたとえ。
【類】
能ある鷹は爪を隠す のうあるたかはつめをかくす
上手の鷹が爪かくす じょうずのたかがつめかくす
【対】
鳴く猫鼠捕らず なくねこねずみとらず
能なしの口叩き のうなしのくちたたき
【参考文献】
『成語林』旺文社、『広辞苑』岩波書店、『大漢語林』大修館書店、『四字熟語の辞典』三省堂、ほか。参考文献の全リストはこちら
【猫的解釈】
人間って、ほんっとうにバカだと思うニャア。
猫は、どんな猫でもちゃんと爪を隠すに決まってるにゃん。 ネズミと爪は関係無いにゃん。
ボク、本物のネズミはとったことにゃいけど、 爪はいつも隠しているよ。 でもって、隠していれば謙虚って褒められるにゃんね。 えへへ、これぞ人徳、いや、猫徳にゃ。
【雑学】
猫の価は金五両
昔、養蚕の盛んな地域では、猫は大変な貴重品だった。 良い猫は馬の五倍もの金額で取引されたという記録が残っている。
「奥州は養蚕第一の国にて鼠の蚕にかかるを防ぐとて、 猫を殊に選ぶことなり。上品の所にては、 猫の価金五両位にて、馬の価は金一両位なり。」
(『甲子夜話』 松浦静山、1821)
また、寛政3年頃、ネズミが異常発生したときも、 猫の価は高騰した。
「猫至りてはやり、逸物の猫は金七両弐分、 常の猫五両、猫の子ハ二、三両ぐらいの由」
(『よしの冊子』 水野為長、1791年の日記より)
日本において、猫がどれほど重要な役割を占めたかは 『猫は犬より働いた』須磨章著や、『猫の歴史と奇話』 平岩米吉著、などの本をお読みいただきたい。
なお、一般社団法人ペットフード協会(旧ペットフード工業界)の調査によれば、2007年度の 日本における猫の飼育頭数は1,245万7千頭(犬は1,208万9千頭)。