猫の前の鼠の昼寝
ねこのまえのねずみのひるね
【意味】
目の前に猫がいる事に気つかず、ネズミがノンキに昼寝をしている。
我が身に危険が迫っている事を知らずにいることのたとえ。
【類】
魚の釜中に遊ぶが如し うおのふちゅうにあそぶがごとし
【参考文献】
『成語林』旺文社、『広辞苑』岩波書店、『大漢語林』大修館書店、『四字熟語の辞典』三省堂、ほか。参考文献の全リストはこちら
【猫的解釈】

オモチャのネズミ君が乗っているだけで動けない猫って・・・
【雑学】
“ねずみ”の語源
●「不寝見」説
寝ずに物を見る、という意味からきたという説。
● 「盗み」あるいは「寝盗み」説
ヌスミ、あるいはネヌスミが転化してネズミになったという説。 寝盗みとは、人が寝静まった夜陰に乗じて食物などを盗むという意。
● 「根栖(棲、住)」説
ネズミが、建物などの根っこの部分に開けられた穴に住むことから。
猫は奈良時代に朝鮮半島から人が連れてきた動物とされているが、 ネズミはもちろん有史前から日本に住んでいた。 『古事記』にすでにネズミが登場するというから、 文献上での歴史の古さも人間と匹敵する? (ただし、現在数の多いハツカネズミ・クマネズミ・ドブネズミはいずれも外来種。)
最後に、岡田要著 『ねずみの知恵 』 に紹介されている川柳をひとつ。
◇ ねずみさへ居らぬ貧しさ猫飼はず
ネズミは金持ちの家が好きだ。貧しい家にはネズミも寄りつかない。
