虎を養いて自ら患いを遺す/虎の子を飼う
とらをやしないてみずからうれいをのこす
とらのこをかう
【意味】
凶暴な虎を生かしておいて、危害の生ずる恐れを残すということから、災いの起きる元を断たないで、後日の大きな災禍のたねを残すこと。
【類】
生殺しの蛇に噛まれる なまごろしのへびにかまれる
【参考文献】
『成語林』旺文社、『広辞苑』岩波書店、『大漢語林』大修館書店、『四字熟語の辞典』三省堂、ほか。参考文献の全リストはこちら
【猫的解釈】
トラ猫の子を飼う、の、間違いにきまってるニャ。

飼い猫は人に爪を立てないものだが、中には少々不器用な子もいる。 悪気はないのだから許してあげてほしい。
【雑学】
出典
『史記しき』項羽本紀こううほんき
楚(そ)は兵罷(つか)れ食尽く。此れ天の楚を亡ぼすの時なり。其の機に因りて遂にこれを取るに如かず。今釈(す)てて撃たずんば、此れ所謂(いわゆる)虎を養いて自ら患いを遺すなり。
※『成語林-故事ことわざ慣用句』旺文社より引用
手飼いの虎
虎は虎でも、「手飼いの虎」といえば猫のこと。 猫が虎であると実感するのは、動物病院で。 ちょっとした治療や検査で何万円も飛んでいく。 動物園で見るだけの虎より、よほど恐ろしい存在かもしれにゃい?(汗)
ライオンの飼い方?
『非日常実用講座2:ライオンの飼い方 』 という面白い本がある。 副題は「猛獣・海獣・珍獣・巨獣といっしょに暮らす!!」。 非日常研究会著、同文書院出版。
もちろん、おふざけの本であり、本気でライオンを飼えなんて言っているワケではない。 そして、だからこそ面白い。夢が膨らむ。 ワクワクして夜も眠れなくなる。
1995年発行だから新刊ではもう手に入らないかもしれないが、もし中古書店で見かけたら買って読んでみてください。
言うまでもないことだけど、トラもライオンもワシントン条約 (絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)で保護されている動物である。 個人が勝手に飼育することは許されていない。
手術代をケチって自ら憂いを遺す
愛猫には、可哀想なようでも、必ず不妊手術を受けさせよう。
「まだ幼いから」と思っているアナタ。 早い子は6ヶ月で妊娠が可能ですヨ。
「外に出さないから」と安心しているアナタ。 発情時の猫は脱走する確率が格段に高まる。 現に拙掲示板にも、完全室内飼いしている猫が過去に2回だけ脱走し、その2回とも妊娠して帰ってきたというケースがあった。 「これ以上はとても飼えない、手術することに決めました」 とのことだが、もし早くに避妊手術していれば、 そもそも脱走衝動もなく妊娠することもなかっただろう。
もし不妊手術をしなかった場合、 1ペアの猫夫婦がどのくらい増えるかはこちらをご覧あれ。
「虎を養いて自ら患いを遺す」 の諺のように、実際にトラを飼う人はいないだろうけれど、猫が数十匹~百匹以上に増えてしまい、家を追い出されたり、訴えられたり、失業する人は毎年後を絶たない。 それも 「たった3年でこんなに増えるなんて」 というような、短期間で猫屋敷化するケースがほとんどなのである。
子猫の里親探しは楽ではない。 今は猫も犬も過剰供給だからだ。 良縁を望むなら、健康診断やワクチン接種は必須条件だが、一腹で6ニャンも生まれた日には、それだけで不妊手術の数倍もお金がかかってしまう。
かといって子猫を捨てたら動物愛護法違反に問われることになる。有罪となれば前科者だ。不妊手術代をケチることくらい、バカらしいことはないのである。