暴虎馮河/暴虎馮河の勇
ぼうこひょうが/ぼうこひょうがのゆう
【意味】
虎を素手で打とうとしたり、黄河を歩いて渡ろうとするような無謀な振る舞いの意から、無鉄砲で命知らずな行い。 自分の力量や物事の後先を考えず、血気にまかせた向こう見ずな行いのたとえ。
【類】
血気之勇 けっきのゆう
匹夫之勇 ひっぷのゆう
【参考文献】
『成語林』旺文社、『広辞苑』岩波書店、『大漢語林』大修館書店、『四字熟語の辞典』三省堂、ほか。参考文献の全リストはこちら
【猫的解釈】
畳に傷は猫飼いの勲章(汗)。気にしない、気にしない!
【雑学】
出典
『論語ろんご』述而じゅつじ
《原文》
子路曰、「子行三軍、則誰与」子曰、「暴虎馮河、死而無侮者、吾不与也。必也、臨事而懼、好謀而成者也」。
《読み方》
子路(しろ)曰(いわ)く、「子(し)三軍を行(や)らば、即(すなわ)ち誰と与(とも)にせん」と。子曰く、「暴虎馮河して、死して悔い無き者は、吾与にせざるなり。必ずや、事に臨みて懼(おそ)れ、謀(ぼう)を好みて成さん者なり」と。
《訳》
子路が孔子に「先生がもし大群を指揮なさるとしたら、誰といっしょになさいますか」と質問した。孔子は「暴虎馮河のような命知らずの人とは行動をともにしない。どうしてもというなら、慎重に対処して、よく計画を練って成し遂げるような人物といっしょにやる」と答えた。
ぼうこうにょうろのゆう(膀胱尿路の憂)
“暴虎馮河の勇” と打とうとして、“膀胱・・・” と変換していた。 削除して再度打っても、また “膀胱・・・”。
私はローマ字変換打ちなのだが、“bouko” を打とうとして、つい “boukou” と余計な “u” を付けてしまうのだ(汗)。 猫飼いの常として、猫の膀胱をいつも気にしている結果、指が “膀胱” と勝手に動いてしまうらしい。
下部尿路疾患は、猫にとても多い疾患だ。 膀胱炎や、尿結石症などである。
特に雄猫に尿結石ができた場合、雄猫の尿管は先端が細く、尿石がつまりやすい。 数日排尿ができずにいれば、尿毒症を併発して最悪死に至る。 「 アニコムのどうぶつ健保 」による調査でも、下部尿路疾患は猫の死因ベストスリーにはいっている。
なので、どうしても猫の排尿には敏感になる。 血尿がみられれば、膀胱炎か結石が疑われ、もし下腹部を触って膀胱に尿がたまっているようなら、排尿できていないということだから、すぐさま獣医さんに連れて行かないとならない。 猫飼育者が膀胱を気にする所以である。
暴虎馮河の勇、ではなく、膀胱尿路の憂、ってところだろうか。
猫の下部尿路疾患用の、処方食やサプリメント類。
【文例】
曲亭馬琴(1767-1848年)『南総里見八犬伝』
「これら(野猪)が歳を経るときは、をりをり松脂を身に塗(まみ)らして、矢石(しせき)を防ぐ為になす、と予(かね)て聞しを、見るははじめて。暴虎馮河の戒めを、忘れたるにあらねども、脱(のが)るる路なき禍を、免(のが)れしは現(げに)けふばかり、力が益(やく)に立(たち)たるのみ。思へば危き事なりき。」
第六輯 巻之六 第五十二回 ISBN:97840030224369 page229
然るを単身(みひとつ)うち朝(むかは)んは、暴虎馮河に似たれども、撃(うた)で克(かなは)ぬ父の仇、辞するに由のなかればなり。
第八輯 巻之八下套 第九十一回 ISBN:4003022459 page184