虎穴

こけつ

【意味】

広辞苑

1.虎のすんでいる穴。

2.転じて、きわめて危険な場所。

【参考文献】

成語林』旺文社、『広辞苑』岩波書店、『大漢語林』大修館書店、『四字熟語の辞典』三省堂、ほか。参考文献の全リストはこちら

【参考】

【猫的解釈】

ボク、虎太郎。ボクが穴にはいれば、「虎穴」っぽくなるかにゃ?

トラについて

食肉目ネコ科。学名:Panthera tigris。繁殖年齢は3~4歳から。熱帯雨林から北方のタイガまでと生息域は広く、サイズも亜種により、頭胴長約140cm~、体重約90kg~と小型のものから、頭胴長約280cm、体重約300kgと大型のものまで。どの亜種も、黄色に黒の縦じまという基本模様は変わらない(ホワイトタイガーはベンガルトラの白変種)。

かつては全世界に10万頭はいたと言われたトラたち。現在はレッドリストの[EN=絶滅危惧種~EX(絶滅亜種)]に分類され、推定生息個体数はわずか2,154~3,159頭 (成獣のみ。「IUCNレッドリスト2017年版」より)。それもインドからシベリアまでの広範囲に少数ずつ分断され散らばっている状態であり、これではいつ絶滅しても不思議ではない。国境を越えた長期的で強力な保護政策が不可欠である。

日本に野生のトラは生息していないが、だからといって、日本人も無関心でいるべきではないと思う。保護団体に寄付する等だけがトラ保護への協力ではない。何よりも大切なのは、トラの毛皮や漢方薬などトラ製品の購入をしないこと・させないこと。またもし密輸等に気づいたら、即!通報することだ。

こんなに気高く、美しく、強く、魅力的な動物が、地球上から絶滅するなんて、断じてあってはならない!!

写真:https://publicdomainq.net/tiger-animal-0020734/

※トラの亜種は9つ

  • 【以下、絶滅危惧亜種・近絶滅亜種】
  • ベンガルトラ=インド亜大陸(スリランカを除く)
  • シベリアトラ(アムールトラ)=中国東北部、ロシア沿海地方のアムール川流域
  • インドシナトラ=インドシナ半島
  • マレートラ=マレー半島
  • スマトラトラ=スマトラ島(インドネシア)
  • 【以下、野生では絶滅した可能性が高い亜種】
  • アモイトラ=中国華南地方
  • 【以下、すでに絶滅が確認された亜種】
  • カスピトラ=中央アジア地域、ヒルカニア地方(カスピ海沿岸周辺部)
  • バリトラ=バリ島(インドネシア)
  • ジャワトラ=ジャワ島(インドネシア)

トラについて、もっと知りたい方は:

WWFのトラについてのページをぜひご覧ください。詳細ですばらしい解説です。現在のトラたちがおかれた苦境やトラ保護活動についても、丁寧に述べられています。おすすめ!

これを読めばトラ博士?!絶滅危惧種トラの生態や亜種数は? https://www.wwf.or.jp/activities/basicinfo/3566.html 】 2009/01/13~

文例

曲亭馬琴(1767-1848年)『南総里見八犬伝

「(前略)はじめに許我(こが)へ参れといひしは、わが心を放(ゆる)させて、神宮河(かには)にて害せん為か。その謀(はかりごと)成らざる故に、われは虎穴を脱(まぬが)れたり。」

第三輯 巻之三 第二十五回 ISBN:9784003022429 pag94

道元『永平元禅師語録

弄鳳毛而捉得天童鼻孔、入虎穴而一笑大休口唇。

【読み】鳳毛(ほうもう)を弄(ろう)して天童(てんどう)の鼻孔(びくう)を捉(とら)え得(え)、虎穴(こけつ)に入って大休(たいきゅう)の口唇(くしん)を一笑す

【意味】(かつて自分は)鳳凰にも比すべき宗師家、天童如浄(てんどうにょじょう)に参じて、その面目を我が物とし、虎穴に入って(=命がけで)大休宗珏(たいきゅうそうがく)の宗風を受け継いだ。

自賛

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