虎渓三笑
こけいさんしょう
【意味】
「虎渓」は、今の中国江西省廬山の東林寺の前にあった谷の名前。
あることに熱中しすぎて、外のことすべてを忘れること。
【参考文献】
『成語林』旺文社、『広辞苑』岩波書店、『大漢語林』大修館書店、『四字熟語の辞典』三省堂、ほか。参考文献の全リストはこちら
【猫的解釈】
【雑学】
出典
『蘆山記ろさんぎ』一
語源
晋の高層彗遠(えおん)は東林寺にいたが、寺の下にある虎渓をまだ渡ったことがなかった。(一説に、修行のため外出することはしまいと誓ったという。)
あるときやってきた詩人の陶潜(とうせん=陶淵明)と道士の陸修静を見送って行く道すがら、いちだんと話が弾み、虎渓を渡ったのも気付かず、虎の吠えるのを聞いてはじめて気がつき、三人顔を見合わせて大笑いしたという逸話から出た言葉。
(『成語林』より引用)
日本の“虎渓”
岐阜県多治見市に “虎渓” の名を持つ地名がある。 もっとも、私は行ったことはないから地図帳とネットで調べただけだが。
多治見市内に “虎渓町” という町名がある。 そこに“虎渓山永保寺”という名刹がある。
鎌倉時代末期、1313年(正和2)の創建。 夢窓疎石を開祖、仏徳禅師を開山とする。 観音堂と開山堂は国宝、夢窓国師作の池泉回遊式庭園は国の名勝に指定されている。
また近くに “古虎渓” という渓谷もある。 土岐川に沿うように奇岩が続き、中国の名山、盧山の虎渓に似ているとか。 東岸には公園もあり、季節の花や紅葉が見られるとのこと。
↓古虎渓駅。斜め上の多治見市に虎渓山町がある。