猫を追うより皿を引け/猫を追うより魚を除けよ

ねこをおうよりさらをひけ

ねこをおうよりさかなをのけよ

【意味】

猫を魚の前から追い払っても、戻ってきてまた狙う。 猫を追い払うより、魚を別の場所に移動させる方が、簡単だし確実である。

問題が生じたときは、小手先のその場しのぎではなく、根本的な原因を取り除くべきであるということ。

【参考文献】

成語林』旺文社、『広辞苑』岩波書店、『大漢語林』大修館書店、『四字熟語の辞典』三省堂、ほか。参考文献の全リストはこちら

【猫的解釈】

ボクたち猫と仲良くしたければ、
「猫ちゃ~~~ん♪♪♪」
なんて追いかけ回しちゃだめにゃ。

まず、美味しいご飯を用意して、ボクたちにご馳走してニャン。

そして、何日もかけて、少しずつお皿を自分の方へ引いていって、猫の方が「この人間は良い人らしい」と判断したら、人間の足元でも食べるようになる。

猫と仲良くするには、根気と美味しいご飯が必要って意味の諺にゃんだよ。

「皿を引け」は、「ゆっくり信頼関係を築きなさい」って意味だし、 「魚を除けよ」はね、「魚の骨を丁寧に取り除けよ」って意味にゃんだ。 骨が喉に突き刺さったら大変だからね。

でもね、猫は勘が鋭いから、悪い人間はすぐわかる。 どんなに時間を掛けても懐かにゃいよ。 これは良い人間だけに使える諺にゃ。

というわけで、はやくおいちい御飯ちょーだい!!

お皿から食べる子猫

【雑学】

猫のしつけは外国人の二歳児のつもりで

ドウハッス著 『うちの猫はおりこうさん?』 から引用。

『猫はだいたい2歳の人間の子供に相当します。 2歳になる外国人の子供を養子にして、フォークの使い方など初歩的なことを教えようとしていると想像してみてください。 おまけに、その子供がわかる言葉を あなたは全然知らないとしたら、あなたはどうやって教えますか?』

『猫をしつけるとは、人と猫の種の相違を尊重しつつ、調和を保ちながら、人間たちの中で、猫に猫としての生活をさせることなのです。 同居して、互いにかかわり合いを持つために、そして両者が幸せになるためにしつけるのです。 つまり幸せな猫と飼い主になるためです。』

二歳児に、「これこれこういう理由だからしてはいけません」なんて言っても通じない。 ましてそれが外国人の子供なら。 言って聞かせるより、それをさせない工夫をする方が早い。

猫も同じ。

命令したり無理にしつけようとするより、それを「出来ない」ようにする方がずっと早いし、確実だ。 しかも猫は人間の二歳児より賢い。

(だって独りで食事して排泄して子育てまで出来るんだよ? 人間の二歳児が子育てなんかできるか?)

人間さえ種の違を認識していれば、猫ほど同居しやすい動物は他にいないのだ。「猫は言うことを聞かないからアカン!」と怒る人種は、種の違いがわからない大馬鹿者にすぎないのだと思う。

【参考文献】

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