猫が肥えれば鰹節が痩せる
ねこがこえればかつおぶしがやせる
【意味】
鰹節を食べて猫が太るにつれ、食べられた鰹節は削られて細くなっていくという意味から、片方が得をすれば片方は損をするということ。
一方にとって良いときは、他方にとっては悪いときだということ。
【対】
彼方を祝えば此方の怨み あなたをいわえばこなたのうらみ
入り船に良い風は出船に悪い いりふねによいかぜはでぶねにわるい
【参考文献】
『成語林』旺文社、『広辞苑』岩波書店、『大漢語林』大修館書店、『四字熟語の辞典』三省堂、ほか。参考文献の全リストはこちら
【猫的解釈】
ママによるとね、猫が肥えると、痩せるのはかつおぶしではにゃくて、おさいふだそうにゃ。「ぷれみあむ・きゃっとふーど」とかいうのを、たくさん、かうからだって。
それに、かつおぶしって、袋にはいったヒラヒラしたものでしょ?「減る」にゃらわかるけど、「痩せる」って変だよねえ?
=現代の猫より=
【雑学】
ねこまんま
昔からの猫のごはんといえば、ねこまんま。 お米のご飯におみそ汁と鰹節をかけたものです。
しかし、この食事では、猫が体内で合成できない栄養素のうち ビタミンAとタウリンと必須脂肪酸が足りません。 昔の猫たちは、ネズミなどを捕まえて食べることで、 必要な栄養素を補っていましたが、それができない現在の猫たちに ねこまんまでは、栄養不良で体調を崩してしまうでしょう。
●ビタミンA
ほとんどの動物は、植物に含まれるβ-カロチンを体内で ビタミンAに変換する酵素を持っているのですが、 猫はそれを持っていないため、動物性の食材を食べることで 直接摂取しなければなりません。
ビタミンAが欠乏すると、眼球乾燥症、結膜炎、成長不良、運動失調 などの障害が出ます。
●タウリン
猫の必須アミノ酸です。
タウリンが欠乏すると、中心性網膜変性(目の網膜が犯され失明する)、 生殖能力の低下、心筋症などの原因となります。
●必須脂肪酸
猫はリノール酸、リノレン酸、アラキドン酸を体内で合成できないため 食物から直接摂取する必要があります。
これらの必須脂肪酸が不足すると、腎機能をはじめ 体の色々な機能が正常に働かなくなります。