ネコジャラシ(エノコログサ)

ねこじゃらし(エノコノグサ)

ネコジャラシ(エノコログサ)

イネ科の一年生草本。

【分類】

植物界/イネ目/イネ科/キビ亜科/エノコログサ属/エノコログサ
(Plantae/Poales/Poaceae/Panicoideae/Setaria/Setaria/Setaria viridis)

【学名】

Setaria viridis

【和名】

エノコログサ

【漢字表記】

狗子草、狗尾草

【別名】

ネコジャラシ、アワグサ、カニクサ、ネコノオ、ケムシ

【英名】

green bristlegrass

ねこじゃらし(エノコノグサ)

分布など

全世界の温帯。

日本へは縄文時代にアワと一緒に入ってきたと考えられ、現在は日本全土に分布。陽当たりのよい場所であれば、荒れ地にも生えている。

草丈40cm~70cm。夏に穂をつける。アワの原種といわれる草で、食用に利用することも可能。日本でも近代までは飢饉時に食べられていたという。

名前の由来

エノコログサという名称は、漢字で書けば 「狗子草・狗尾草」。「狗」とは犬、中でも小型犬をさし、また古くは子犬のことを「えのこ/えのころ」と言いました(下記参照)。穂の形が犬の尾っぽに似ていることから、この名がついたようです。ときどき「犬っころ草」の音が変化して「エノコログサ」になったのだ、というような説明を見かけますが、そうではなく、むしろ古い発音が変化せずに残った名前と解すべきではないでしょうか。

ねこじゃらし(エノコノグサ)に似た尾の犬
うちの犬。日本犬の尻尾はたしかに良く似ています。

でも私たち猫好きには、「猫じゃらし」という名称の方がずっとなじみ深いですね。人工的なねこじゃらしには見向きもしなくなった猫でさえ、本物の(?)ネコジャラシには飛びつきます。うちの16歳11カ月の猫も、この通り。

猫が食べても安全?

猫に「ネコジャラシ」を与えると、しばしば食べてしまいます。大丈夫か、不安になりますよね。

ネコジャラシはイネ科。「猫草」として市販されている草も、エンバクを主とするイネ科。ネコジャラシも若芽のうちであれば、猫草としての利用も可能だそうです。

つまり、ネコジャラシは基本的に、猫に対し、毒性はないそうです。

ただし、注意点もあります。

胃腸の弱い猫には気を付けて

穂をつけるたネコジャラシの老いた葉は、猫草として利用されるものに比べ、かなり固くなっています。また、穂先にはノギ(芒)と呼ばれる毛のような突起物があり、その表面には小さなトゲがついています。このノギは、鳥獣からの食害を防ぐ効果と、通りかかった動物の毛に引っかかりやすくなる効果があると言われています。

これらの固い葉や、細くトゲのついたノギは、胃に負担をかける場合があります。胃腸の弱い猫には注意してあげましょう。

穂の丸飲みには気を付けて

ネットで調べていたら、ネコジャラシの穂をそのまんま丸飲みした猫が何日も便秘になったケースが紹介されていました。その猫ちゃんは6日後に穂を丸ごと排出して、体調もすっかり回復したようですが。

大きな穂のまま丸飲みしないよう、気を付けましょう。

農薬には気を付けて

ネコジャラシは、日当たりの良い農地などによく生えています。が、ご存じの通り、農地や公園にはしばしば農薬が散布されています。

農薬がついたネコジャラシを猫に与えないよう、気をつけましょう。

なお、私が愛猫たちに与えているネコジャラシはうちの畑からとってきたものですが、うちの畑には20年近く、いっさいの農薬を使用していません!下手な場所からとってくるより安全なはずです。

ネコジャラシ(エノコログサ)

「えのこ(ゑのこ)」文例:『平家物語』巻第一二 土佐房被斬

(前略)ある坊に女房達、をさなき人、あまたゆゆしく忍びたるていにてすまひけり。籬(まがき)のひまよりのぞきければ、白いゑのこの走り出でたるをとらんとて、うつくしげなる若公(わかぎみ)の出で給へば、めのとの女房とおもしくて、「あなあさまし。人もこそ見参らすれ」とて、いそぎひき入れ奉る。

【口語訳】ある僧坊に、女房たちや幼い人がたくさん、ことさらに忍んだ様子で住んでいた。垣根の隙間から覗くと、白い犬の子が家の外に走り出したのを捕えようとして、かわいらしい様子の若君が外に出られると、乳母の女房と思われて、「あら大変。誰かが見申すかもしれない」といって、急いで手を引き、中にお入れする。

日本古典文学全集30『平家物語 二』小学館 c1975 page470

平家物語も終盤の場面です。北条四郎時政は、平家の子孫を残らず探すよう御触れを出しました。見つけた者にはなんでも望み通りのものを与える、なんていったものですから、京中の人々が次々と「子孫」を探し出します。中には身分の低い子供であっても、ちょっと貴族っぽい顔立ちをしていたりすると、「あの少将の子供だ」などと偽って差し出すありさまでした。

小松三位中将維盛の北の方(妻)と若君・姫君が潜んでいた場所にも、とうとう追っ手がやってきました。上記はその発見される場面です。

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