猫と庄屋に取らぬはない
ねことしょうやにとらぬはない
【意味】
猫はネズミや魚などが目の前にあれば必ず取るものだし、庄屋も機会があれば必ず袖の下をとるものだということ。
賄賂に手を出す役人を皮肉って言う。
【参考文献】
『成語林』旺文社、『広辞苑』岩波書店、『大漢語林』大修館書店、『四字熟語の辞典』三省堂、ほか。参考文献の全リストはこちら
【猫的解釈】
【雑学】
庄屋とは
荘屋とも。
荘園の事務を司った荘司・荘官の総称。
江戸時代は、村の長のこと。 村請制度のもとで、納税その他の事務を行って領主の村支配のための業務を担うとともに、村共同体の代表者として、年貢減免等、領主への訴願を行ったり、近隣の村との 交渉・紛争に当たる等、共同体の維持の為に働いた。
むらおさ。
畿内・西国地方では庄屋、東国方面では名主と呼ぶことが多い。
豆知識:ねこ・へこ・とこ
「ねこ」という名称の起源として、 「ネズミを捕るから」という説がある。
(ほかには、鳴き声から、あるいはいつも寝ているから、などの説も)。
さて、猫はネズミを捕るだけではない。 他にも様々な小動物を捕食する。
猫にも得手不得手があり、あるいは単に嗜好の問題かも知れないが、
・ネズミを好んで捕る猫、
・ヘビを捕るのが得意な猫、
・もっぱら鳥ばかり狙う猫
など、いろいろと個性がある。そこで、
・ネズミを良く捕るものを「ねこ」、
・ヘビを良く捕るものを「へこ」、
・鳥を良く捕るものを「とこ」
と呼んだそうな。
別の呼び名もあるらしい。
木村喜久弥著『ねこ その歴史・習性・人間との関係』 という本の中には、こんな一文がある。
「俗説に、春生まれのネコは蝶をとるからチョコといい、 夏生まれのネコは蛇をとるからヘコとよび、 冬生まれのネコはネズミは捕らえるからネコと称するという。」
ヘコは変だけどチョコは可愛いな、なんて思ってしまう。
うちの猫たちならさしずめ 「おこ=おもちゃを取ってくる」か 「かこ=紙玉を取ってくる」ってところだろうか。
ついでながら、猫はヘビを捕るとはいえ、 世の中には毒を持ったヘビもいて、 猫が噛まれる場合もあるからご用心。
猫とヘビについてはこちらでも書きましたのでどうぞ。