虎は千里の藪に住む/虎は千里続く国ならでは住まず
とらはせんりのやぶにすむ
とらはせんりつづくくにならではすまず
【意味】
虎は千里を往復するほどすぐれた動物であるため、住む場所も広大な土地が必要であると言われることから、非凡な才能を持つ人は、それを十分に発揮できるような、広々とした環境にいるものである。また、そのような環境でないと活躍できない、というたとえ。
【参考文献】
『成語林』旺文社、『広辞苑』岩波書店、『大漢語林』大修館書店、『四字熟語の辞典』三省堂、ほか。参考文献の全リストはこちら
【猫的解釈】

【雑学】
トラのなわばりの広さ
生息地の環境によって、また個体の強さ等によって、トラのなわばりの広さが変わってくるのは当然だが、一例として、ネパールのチトワン国立公園におけるベンガルトラの場合は;
「メスはおよそ4.5km四方を行動圏とし、 オスはずっと広く7.7kmないし10km四方を動き回ることがわかっている。」
(『野生ネコの百科』より引用)。
距離・広さでいう「里」とは
●行政区間の名として
古代中国・周代の制度で、家、二五戸。 後、五十戸、百戸など、時代により増加した。
●距離の単位として
同じく周代に、1尺の6倍を1歩、 1歩の300倍を1里とした。 時代により、尺・歩・里の距離は変化する。 なお、日本の1里は中国の里よりずっと遠い。
尺 | 歩 | 里 | |
周~前漢 (前10~1世紀) | 22.50cm | 1.350m 6尺 | 405.0m 300歩 |
新・後漢 (1~3世紀) | 23.04cm | 1.382m 6尺 | 414.7m 300歩 |
魏 (3世紀) | 24.12cm | 1.447m 6尺 | 434.2m 300歩 |
随 (6~7世紀) | 29.51cm | 1.771m 6尺 | 453.2m 300歩 |
唐 (7~10世紀) | 31.10cm | 1.555m 5尺 | 559.8m 360歩 |
宋・元 (10~14世紀) | 30.72cm | 1.536m 5尺 | 553.0m 360歩 |
明 (14~17世紀) | 31.10cm | 1.555m 5尺 | 559.8m 360歩 |
清 (17~20世紀) | 32.00cm | 1.600m 5尺 | 576.0m 360歩 |
現代中国 (20世紀~) | 33.33cm | 1.667m 5尺 | 500.0m 300歩 |
日本 (20世紀~) | 30.30cm | 3927.27m |
