君子は豹変す/豹変
くんしはひょうへんす
ひょうへん
【意味】
君子は、おのれの過ちを悟れば、すみやかにそれを改め鮮やかに面目を一新する。 その様子は、ちょうど豹の毛皮の黄色と黒の斑点が目立つように、きわめてはっきりしているということ。
転じて、人が行動や態度などをがらりと変えること。
現在では、人が態度や考え方を、悪い方に一変させる場合に多く使われるが、本来の意味からすればそれは誤用だった。
【類】
君子の過ちや日月の食の如し くんしのあやまちやじつげつのしょくのごとし
【対】
小人は面を革む しょうじんはおもてをあらたむ
【外国では】
Wise men change their mind,fools never.(英語のことわざ)
賢者は決心を変えるが愚者は決して変えない。
【参考文献】
『成語林』旺文社、『広辞苑』岩波書店、『大漢語林』大修館書店、『四字熟語の辞典』三省堂、ほか。参考文献の全リストはこちら
【猫的解釈】
【雑学】
出典
『易経えききょう』革かく
「君子は豹変す。小人しょうじんは面を革あらたむ。」《意味》君子は過ちを悟ればすぐに改めるが、小人は単に外面だけを改める。
ヒョウとジャガーの見分け方
ヒョウとジャガーの外見はよく似ています。
見分けるポイントは、その斑紋。 ヒョウは花の様な形であるのに対し、ジャガーは中に黒点があります。
注:この模様は管理人が写真を見ながら真似て描いたものです。 本物の毛皮写真ではありません。
●ヒョウ Panthera pardus
かつては寒帯のシベリアから熱帯の東南アジア、西アジアの乾燥地帯からアフリカのサバンナまでと、大型ネコ科の中ではもっとも広い生息地を誇っていた。 現在は生息地が分断・孤立化され、すでに絶滅、あるいは絶滅が危惧される亜種が多い。 頭胴長0.9~1.9m、体重28~90kg。
●ジャガー Panthera onca
メキシコ南部から中米・南米に生息。 北アメリカにいたものは20世紀に入って絶滅した。 頭胴長1.2~1.8m、体重は100kgを超える個体も。
【参考文献】
●『アニマ 』1989年9月号No.204 平凡社
【豹変:文例】
熊谷達也『相剋(そうこく)の森』
人のよさそうな田舎の青年。それで描写のすべてが事足りると思っていた滝沢が、まったく違った人間に豹変していたのである。
猟師たちに早口でまくし立てながら、矢継ぎ早に支持を繰り出す滝沢は、今まで美佐子が知っていた滝沢昭典ではなかった。凛とした立ち姿はまさしくマタギの棟梁だった。
ISBN:9874087460964 p.449
※東北地方のマタギやクマ狩りを題材とする長編小説。ストーリーの面白さもさることながら、著者の自然や動物たちに対する深い思いに感嘆せずにはいられない名著。
米原万里『ヒトの雄は飼わないの?』
獣医室に向かって急ぎながら、せっかくの規則破りの機会が失われて、ちょっとガッカリしたみたいなニーナに礼をいった。
ISBN:9784167671037 p.271
「いやあーっ、すごい豹変ぶりでしたね。手品か魔法みたいだった。ニーナの教養のおかげで助かったわ」
「まだわからないわよ、万里さん。ここは、ロシアであることを忘れないでね」
エッセイ集。知的美女の米原氏の、猫たち犬たちに対する愛情、親ばかぶりに、思わずクスリと笑ってしまいます。