虎穴に入らずんば虎子を得ず/虎穴を探らざれば虎子を得ず
こけつにいらずんばこじ(こし)をえず
こけつをさぐらざればこじをえず
【意味】
虎の住む洞穴に入らなければ虎の子は得られないという意から、何事も危険をおかさなければ、目的を達したり、大きな成果を得たりすることはできないということ。
【類】
危ない所に登らねば熟柿は食えぬ あぶないところにのぼらねばじゅくしはくえぬ
高い所に上がらねば熟柿は食えぬ たかいところにあがらねばじゅくしはくえぬ
枝先に行かねば熟柿は食えぬ えださきにいかねばじゅくしはくえぬ
【対】
君子危うきに近寄らず くんしあやうきにちかよらず
命を知る者は巌牆の下に立たず いのちをしるものはがんしょうのもとにたたず
賢人は危うきを見ず けんじんはあやうきをみず
【外国では】
(英)The more danger, the more honour. 直訳:危険が大きいほど名誉も大きい。
(英)Nothing venture,nothing win. 直訳:冒険無くしては何物も手に入らない。
【参考文献】
『成語林』旺文社、『広辞苑』岩波書店、『大漢語林』大修館書店、『四字熟語の辞典』三省堂、ほか。参考文献の全リストはこちら
【猫的解釈】
「子猫と遊びたければ、一緒に紙袋にはいらないといけない、という意味ニャン」
【雑学】
出典
『後漢書ごかんじょ』班超伝はんちょうでん
《原文》
官属皆曰、今在危亡之地、死生従司馬。超曰、不入虎穴不得虎子。当今之計、独有因夜以火攻虜、使彼不知我多少。必大震怖。
《読み方》
官属皆曰(いわ)く、「今危亡の地に在り、死生司馬に従わん」と。超曰く、「虎穴に入らずんば虎子を得ず。当今の計、独り夜に因りて火を以って虜を攻め、彼をして我の多少を知らざしむ有るのみ。必ず多いに震怖(しんぷ)せん」と。
《訳》
配下の者たちは口々に言った、「いま、われわれは、危急存亡の事態におちいっています。死ぬも生きるも、隊長であるあなたの命令に従います」と。班超(はんちょう)は言った、「虎穴に入らずんば虎子を得ずだ。いま考えられる唯一最善の策は、夜の闇に乗じて火を放ち、匈奴を攻めることだが、それもわが軍勢の数を彼らに気づかせないようにしなければならない。そうすれば、彼らは必ず大いに懼れ慌てるだろう」と。
※『成語林-故事ことわざ慣用句』旺文社より引用
トラの子たち
● トラの交尾期は、北方では冬、熱帯では一年中。
●雌が雄を受け入れるのは数日間。 その間に行われる交尾は100回以上。
●妊娠期間は約103日。 出産頭数は一度に2~4頭。
●およそ1歳半までは、ほぼ全面的に母トラに 依存した生活を送りながら、狩りの練習をする。 独立は2歳~2歳半くらい。
ハイリスク・ハイリターン
ハイリターン(high return)=高い報酬・結果を求めるなら、まずハイリスク(high risk)=きわめて危険なこと、失敗する可能性が高いことを覚悟しなければならない。
まずリスクがあって、それからリターンがあるのだ。 しかるに、なぜかハイリターン・ノーリスクを求める愚人が後を絶たない。 ハイリスク・ノーリターンならこの世にたくさんあるが ノーリスク・ハイリターンはまずあり得ないのに。
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(毎日膨大なスパムメールが来るんですよね。迷惑!!・・・←これを言いたかっただけ?)
【文例】
曲亭馬琴(1767-1848年)『南総里見八犬伝』
われ赤岩を氏としながら、おなじ名だたる霊山に、登陟(とうちょく)せずば、虚称(きょしょう)に似たり。虎穴に入らずはいかにして、よく虎子(とらのこ)を獲(う)ることあらんや。
第六輯 巻之五上冊 第五十九回 ISBN:97840030224369 page365