口の虎は身を破る/口の虎は身を食む/口の虎身を食み、舌の剣命を断つ
くちのとらはみをやぶる
くちのとらはみをはむ
くちのとらみをはみ、したのつるぎいのちをたつ
【意味】
うっかり口を滑らせて大事を引き起こしたり、口の利きようで身を滅ぼしたりすることがあるということから、言葉には十分気をつけなければならないと言う教え。
【類】
口は禍の門 くちはわざわいのかど(もん)
口は禍の元 くちはわざわいのもと
舌は禍の根 したはわざわいのね
駟も舌に及ばず しもしたにおよばず
一寸の舌に五尺の身を損ず いっすんのしたにごしゃくのみをそんず
口故に身を果たす くちゆえにみをはたす
多言は身を害す たげんはみをがいす
沈黙は金 ちんもくはきん
雄弁は銀、沈黙は金 ゆうべんはぎん、ちんもくはきん
【外国では】
(英)Speech is silver, silence is golden (gold). 直訳 : 雄弁は銀、沈黙は金。
(英)The stupid man’s tongue is his undoing. 直訳 : 愚かな男の舌は彼の身の破滅。
【参考文献】
『成語林』旺文社、『広辞苑』岩波書店、『大漢語林』大修館書店、『四字熟語の辞典』三省堂、ほか。参考文献の全リストはこちら
【猫的解釈】

【雑学】
口(言葉)を戒める諺はほかにも多い
多言は一黙に如かず たげんはいちもくにしかず
言葉多き者は品少なし ことばおおきものはしなすくなし
万言万当も一黙にはしかず ばんげんばんとうもいちもくにはしかず
言わぬは言うにまさる いわぬはいうにまさる
黙に過言なく愨に過事なし もくにかげんなくかくにかじなし
言わぬが花 いわぬがはな

口(言葉)を戒める名言も多い
ボナール
「沈黙は愚人の知恵であり、賢者の美徳である。」
(1754-1840、フランス)
チェスタートン
「沈黙は我慢のできない当意即妙の答えである。」
(1874-1936、イギリス)
バーナード・ショー
「沈黙は、軽蔑の最も優れた表現である。」
(1856-1950、イギリス)
ハズリット
「沈黙は会話のなかのひとつの偉大な技術である。」
(1778-1830、イギリス)
モンテーニュ
「心にもない言葉よりも沈黙のほうが、 むしろどのくらい社交性を損なわないかしれない。」
(1533-1592、フランス)
カーライル
「少しでも有益なあらゆるスピーチの下に、もっと有益な沈黙がある。 沈黙の深さは永遠であり、スピーチの深さはその時だけである。」
(1795-1881、イギリス)
